(3) どぶ化した水槽(2001/3)

実は、下記の写真の前に、底面が硫化水素を放った状態がありました。(2) の最後の写真のように、水深は 5cm くらいにしており、しばらく放っておきました。
すると、6日目あたりから、茶色かった水が突然どす黒くなり、悪臭を放ち始めました。そう、硫黄の臭いです。硫化水素が発生したようです。

こうなると、もう、スーリンの助けをお願いするしか有りません。
スーリンの掲示板で質問すると、下記のように丁寧に答えて頂けました。(一部抜粋)

3659. Re: 硫化水素! スーリン 2001/03/12 (月) 14:59

> 鶏糞(肥料で、鶏糞を醗酵させた粒)、いいちこ、EM 菌を入れました。(--;
> 部屋の中は、腐ったタマゴの臭いがするし、要は、ドブ状態!
>
> これ、このうえにパウダーサンゴスナを5cmくらいかぶせてしまって、
> 良いのでしょうか?
>
> パウダー珊瑚には、マングローブを植える予定です。
> (もちろん、珊瑚や、魚は入れません。)

け、け、鶏糞ですか〜
水草水槽では少量立ち上げに使うってのは聞いたことがありますが。淡水と海水では違います。海水の陰イオンは多い順に塩素、続いて硫酸イオンなのです。多量に硫酸イオンがあるから、嫌気になると硫化水素が発生します。また、有機物があるうちは硫酸還元による硫化水素大量発生が続きます。有機物が多いから浅いところまで硫酸還元がどっと進んだんでしょうね。

鶏糞でしたら、窒素、イオウ、リンもものすごい量でしょうね。 有機物過剰による硫酸還元はたしかにパウダーを厚くかぶせて、時間経過を待てば、炭化水素が消費された時点で硫酸還元域は深部に戻るでしょう。

問題は、「リン」です。どれくらい入れたか分かりませんが、莫大な量入った可能性があり、これは取り除くのが難しいでしょう。
将来、マングローブに吸収されるとしても、ちょっと処理できるかどうか分かりません。また、嫌気下のリンはイオン化して漂いだし、サンゴ砂など水槽に入っているすべてのものに吸着された可能性が高いです。


上記のようなお答えを頂きました。これは、もう、放って置いても、悪い方にしか行かないようです。スーリンのアドバイスでは、底砂も全部捨てて、新しい水槽としてやり直した方が良い!とのことです。ですが、せっかく作ったプレナムを作り直すのは、としりんは躊躇しました。結局、スーリンにせっかくアドバイスされたにもかかわらず、どぶ水(硫化水素たっぷりの黒い水)は捨て、プレナムに残ったどぶ水と、プレナム、サンゴ砂LLについては、維持することにしました。どぶ水はサイフォンで吸い出したのですが、臭かったのなんのって、120cm ベルリンのスキマー汚水がきれいに感じられたほどです。

この時の写真は、精神的に動揺していたらしく、写真を撮る余裕がありませんでした。どぶ水を捨てた後、120cm ベルリン水槽から海水を移し、この海水に今度は多量のエアーレイションを行い、溜まっている有機物を硝酸塩まで持っていくことにしました。ただ、どのくらいの時間がかかるのか、わかりません。透明だった120cm 水槽の海水を入れた直後が、下の写真です。


(2001/3/13)
水換え直後なのに、この色!向こうが全く見えません。真っ黒と言って良いでしょう。2cm 程度パウダーサンドを入れていますが、この厚みでは下の汚物?がしみ出してきてしまいます。ただ、ある程度浄化されなければ、スーリンの解説にもありましたが、プレナム内に溜まっている有機物の上にサンドを積み上げてもどんどん悪化するばかりのようです。
プレナムを見てみると、上部の海水より、さらに真っ黒。よく見ると、サンゴ砂LLも、硫化水素のせいか、少し黒く変色しています。たしかに、これをこのままにしておくのは、自殺行為かもしれません。
このまま水換えを繰り返して、浄化をつづけ、ある程度浄化されたら、パウダーサンドを追加し、水位をさげ、マングローブを植える予定ですが、うまくいくか、失敗するか。現在の所はわかりませんが、ここでレポートしていきます。失敗したら、ごめんなさいね。他山の石にしてください。
(2001/3/21)
さて、約一週間後ですが、ライブロックを入れ、爆気を開始しました。ただ、ばっ気の量が少なく感じられます。なかなか透き通ってくれません。これは、既に1回水換えを行っています。翌日爆気の量を増やしました。
(2001/3/24)
ばっ気の量を増やし、3日たったところです。なんとなく、少しは澄んできた気がします。爆気は、6L/min です。ほとんどこれは、浄化槽ですね。きっと、硝酸塩が、 1000 mg/L などというすごい量なのかと想像します。怖くて計れませんが。。。
プレナムも、向こうが見えるようになってきました。ただ、まだまだです。ガラス面に、タンパク質がへばりついています。エアレーションで溶け込んでいた有機物成分が遊離されてガラス面に蓄積していったのでしょうか?水換えの時に、こすげとったのですけど。どろっとしていて、汚いのですが、臭いは全くありませんでした。これもそのままにしておくと、再度腐敗するのでしょう。
(2001/3/29)
夜撮ったので、向こう側が見えません。ただ、前回の写真より、少しきれいになってきました。
別の角度から見たところ。まだ、色は少し茶色いです。そろそろ、マングローブを植えたいなあ。臭いは殆どなくなりました。
(2001/4/1)
今度は、朝撮りました。4/1 だからと言って、ウソではありません。本当は、水換えをする予定だったのですが、時間がなくて、そのままです。
同じ日で、斜めから見たところ。だいぶ透明度は増しましたが、まだ茶色い。。。
(2001/4/1)
同じ日ですが、夜にためしに 岩崎ハイラックス 6500K を点けてみました。そろそろ、マングローブを植えどきなんですが、時間がな〜い!
(2001/4/3)
またまた水換えをした翌日です。実は、換えた水は、となりの水槽から移したものです。どうせ、水質は悪いのだから、ベルリン水槽の水なら、まあ、ええやろ、ということで。新しい人工海水は、隣のベルリン水槽の方へ入れました。

プレナムも、だいぶすきとおってきました。当然、生物などはいません。前回の30cm 水槽では、ここにヨコエビなどが走っていました。今回は、スクリーンの目を細かくしているので、生物なども湧かないかもしれません。

さて、今度はマングローブ。どうなることやら。

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